現在、プチ断食というか、話題になっている「1日1食若返り法」を行っている。かれこれ1ヶ月以上になるだろうか。人間は”空腹”という一種の飢餓状態になると”サーチュイン遺伝子”という長寿遺伝子の働きが目覚め、細胞の成長や補修が促されることで若返りにつながるらしい。1日3食で低カロリー化とか1日2食とかおすすめの方法はいろいろあるが、夕食だけを好きなもの・好きな量だけ食べて良いという1日1食を選んだ。細胞の若返りに関しては実感はないが、体重とウエストサイズは確実に落ち、顔や体も痩せて来たのがわかる。以前はいていたズボンなどはゆるゆるになり、新しく買い直さなくてはならないことになった。多少スリムになれたことは気持ち的に(おそらく健康的にも)良かったと思う。けれど朝と昼の空腹感だけはなかなかツライものがある。多少は慣れたがはじめはけっこうな苦行だった。まあ、これが断食というものだろう。致し方がない。
 断といえば、今夏はいろいろな断が要求されるかもしれない。その一つが省エネ・節電対策。エアコンなどの電気を断つのは苦行になるかもしれないが、地球の長寿遺伝子を働かせるには必要なことだ。さらに言えばいっそのこと原子力発電を断って、それに代わる非化石エネルギーの生産をぜひ押し進めてほしいものだ。
 もう一つ、今夏は「うなぎ断ち」も必要だろう。うなぎの高騰がニュースに上っている。漁獲が減っていることからの価格高騰なのだが、稚魚のしらすうなぎが減少しているのがそもそもの原因だ。日本だけでなく大産地の中国でも減少しているらしいので、これはもううなぎという種の絶滅に関わってくる問題。だったら食べてはいけないでしょう。漁業関係者の方・うなぎ屋さんにはうなぎの代用魚、例えば穴子やうつぼ、深海魚など新たな代用魚の蒲焼きなどをうまく利用してもらって、なんとか夏を乗り切っていただきたい。
 前段がとても長くなったが、最近この「断」という言葉が気になっている。先の例のように、断る(拒絶する)断つ(断食)などネガティブなケースが多いようだが、断といえば物事を「決める」意味合いが強い。「断固」などという言葉もある。というようなことをぼんやりと考えながら、何か自分の指針となるようなキーワードがないかなあと言葉遊び的に想像していたところ、ふと「判断・決断・英断」というダジャレ標語が浮かんだ。世の中にはこういう標語がすでにあるのかも知れないが、一応自分の頭をひねって考え出した自分オリジナルである。
 経営者たるもの決断が仕事であるとよく言われる。その前に冷静に判断もしなくてはならない。そして小さな川を渡る小さな決断だけでなく、大きな川をジャンプする英断もしなくてはならない時があるやも知れない。果たして自分がそんな英断ができるだろうか・・・実はこれらは全て自分がもっとも苦手としていることである。クライアントに対しては客観的に分析し、最善策の決断を提案したりするわけだが、自分のこととなるとなかなか見えづらいし、断固たる勇気もない。というわけで最近はこの「判断・決断・英断」を、自分を叱咤する気持ちも込めて心に掲げるようにしている。
 しかしその決断、断食とともにどれだけ続けられるかがポイント。経営者としての長寿遺伝子をしっかりと働かせたいものだ。