厳しい経済情勢の続くアメリカで、製造業の工場の「本土再上陸」が話題になっているとNHKのニュースで報道されていました。
たとえば「Buck Knives」という1902年創業のナイフの老舗ブランド。アウトドア用ナイフと言えばアメリカのイメージがありますし、WEBサイトをみても「100% Made in USA」といった雰囲気たっぷり。ところが実際は数年前から生産コストの安い中国生産をすすめ、最高で中国生産50%の比率まであったそうです。そうした事実を知った顧客からは「中国製と知ってがっかり」「アメリカにもどってほしい」といった数多くの声が寄せられ、会長は「ブランドを守るためアメリカに製造ラインを戻すことを決断した」とインタビューで答えていました。ニュースではほかにも家具メーカーの話も取り上げていました。
 国内生産にすれば当然国内での雇用が発生します。生産コストは高くなるとは思いますが、「働く場」が生まれれば停滞した国内の経済を動かすきっかけになるのではないか、と期待されます。何より自国のモノづくりへの「自信回復」「信頼回復」につながるのではないでしょうか。
 日本の場合はどうか。アジアの国々に「技術」「コスト」両面で追い抜かれ、家電製品を始め様々な領域で青息吐息の状況です。こういう事態にこそ「Made in Japan」への回帰が求められているのではないでしょうか。以前当ブログでも取り上げましたが、「鎌倉シャツ」さんは2010年に国内のシャツ縫製工場を設立しています(関連記事はこちら)。価格は少々高めでも「着心地」「機能性」で外国産の追随をゆるさず、顧客から高い支持を得ています。何より国内の「雇用」が生まれ、地域経済を活性しているのが素晴らしいと思います。
 自国のブランドは自国で守る。そうした動きがどんどん本格化してほしいですね。